トップ   差分 バックアップ リロード   一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2013-05-11 (土) 13:13:38

魔法の派 第1章

名乗りを上げたのは

エル「おおっ、その手で抜いたか! 見た目はどーにも頼りないが、なるほど王への挑戦にいどもーとするだけはあるか!!」
アーサー「えっ? えっ? いやあの、僕はただケイ兄さんが試合で使う剣を取りに来たんですけど……」
エル「これはもー王になって貰うしかないのだな! さっさとブリテンを治めてしまってくれ!!」
アーサー「何かの勧誘じゃないですよねこれ!?」
エル「うむうむめでたい。貴様は98万3067番目にエクスカリバーを抜いたアーサーだ!!」
アーサー「人の話を聞いていないしなんだか数も多いです! 多すぎます!!」
エル「だから貴様が98万3067番目にエクスカリバーを抜いたといっているのだぞ」
マーリン「何じゃ。 まだそんな『ご挨拶』で頓着しておったのか」
アーサー「おじいさん僕そろそろケイ兄さんのところへ帰っても良いですか! 後ついでに聞きたいけどエクスカリバー超ゆるゆるでしょ!?」
マーリン「じゃが1本でなければならないというルールも特にない」
マーリン「あの剣は王の器を図る天秤じゃが、適合者が現に複数いるのじゃから仕方ないじゃろう」
アーサー「それにしても98万って! 後いつの間にか僕巻き込まれてますね!?」
エル「もー先進んでもいーかねー?」
アーサー「早いですどうなってんですかー剣抜いちゃったって事は僕どうなるんですのよー利用規約とか同意するとかしないとかー」
マーリン「とはいえ、ブリテンの守護者となったからにはやらねばならぬ事がある」
マーリン「……『外敵』のお待ちかねじゃ」
アーサー「最後まで人の話を聞いてませんよこいつら!」

初陣と外敵

マーリン「必要になるから先に渡しておく。これが円卓模型じゃ」
アーサー「……なんですか。この小さな円盤は?」
マーリン「騎士の力を使うためのもの。カードをセットして使用するのじゃ」

エル「騎士カードは強いものから順にせっとされる。 あとで自分で編集することも可能なのだぞ」
アーサー「必要になる、というのは?」
マーリン「きているのじゃよ。『外敵』が」
エル「キャメロット近辺、南方の海から多数の『外敵』が上陸しよーとしてるぞ」
エル「至急海岸線に向かい、上陸しよーとする『外敵』を排除してくれんかね」
マーリン「『外敵』の戦力は極めて強力じゃ。あれがブリテンの中へ放たれれば、民衆などひとたまりもないじゃろう」
エル「彼奴等を守るためにも、海岸線は必ず防衛するのだぞ。……ぶっちゃけ死ぬ気でやれ」

アーサー「先代の王様ウーサーはすごい人でした」
アーサー「でもその王様はもういない。ウーサーがいなくなって、このブリテンは再び覇権争いで揉め始めました」
アーサー「でも、どんなものでも利用しようとする人達はいます」
アーサー「今までウーサーに押し返されていた者。海の向こうの大陸に居を構える巨大勢力」
アーサー「いわゆる……『外敵』」

アーサー「あっちもこっちも化け物だらけなんですけどー!!」
マーリン(通信)「普通にやれば難しい」
マーリン(通信)「だが忘れたか。おぬしはあのエクスカリバーを抜いた王なのだ。王には王の戦い方がある。今からそれを叩き込んでおけ」

アーサー「何とか……押し返しましたか!?」
エル(通信)「おおー。やっぱり剣があると違うなー」
アーサー「錯覚です!そもそも周りの人達もみんな同じ剣持ってますし!」
マーリン(通信)「その頂点に立たねば真の王にはなれん。精進するのは当然じゃが、その前にまず生き残れ。次が来るぞ!!」

アーサー「はぁ、はぁ! もう死んだふりして周りの人達に任せたいんですけど……!」
エル(通信)「南方の海上より強力な反応あり!おそらく『ドラゴン』なのだぞ!」
エル(通信)「魔力の数値から算出して2等級! 急いで伏せないと死ぬぞ!!」
アーサー「は……?」
アーサー「ぐわああああああああああ!?」
エル(通信)「海岸線に展開中のエクスカリバーの反応がごっそり消えているのだぞ! 多数の『アーサー』の死亡を確認!!」
マーリン(通信)「やはり、まだ足りぬか……!!」
アーサー「何で、こんな?」
アーサー「何だかんだであの剣はすごいものじゃ……。王様になれるって言ったじゃないですか! それが、こんなあっけなく……!?」
エル(通信)「2等級『ドラゴン』より反応あり! 泣き言を言っている場合かね!?」
アーサー「く……!?」
アーサー「……」
アーサー「……あれ?」
マーリン(通信)「引き返していくようじゃな」
マーリン(通信)「あれだけ巨大な『ドラゴン』じゃ。手懐ける側も苦労させられるのじゃろう。暴走して自軍を薙ぎ払われても困るじゃろうしな」
アーサー「あれが……僕たちの敵」
アーサー「『外敵』……」

エル「まだ生きているかね? ひとまず、『外敵』は海岸線から撤退したぞ」
エル「味方の犠牲も少なくないが、最悪だけは避けられたと評価できるな」
エル「貴様も少し休め。以上だが、何か質問はあるかね?」

湖にたゆたうは神秘

マーリン「アーサー、話がある」
アーサー「やーです!!」
アーサー「どうせろくな事にならないのは目に見えるんです! もうあんな化け物と戦うなんて真っ平ですよ!」
マーリン「その話とも関係はある。剣を振るうだけが王の仕事ではないと言う話じゃ」
マーリン「アーサー、お主には暫定的な王の職務として、1つの街を治めてもらうと前に言ったな」
マーリン「そちらをおろそかにしてもらっても困る。というより、王1人が戦場で暴れるだけで『外敵』に勝てるとは思うな」
マーリン「結局、王だけが強大な力を得たところで、国家と国家がぶつかる今回の戦争には勝利できん」
アーサー「つまり僕だけが気張らなくても良いって訳ですね。民衆の力を底上げして『外敵』に対応できるようにすると」
エル「貴様にとってもプラスになるのだぞ」
エル「貴様は『円卓模型』に登録した騎士を、エクスカリバーで指揮しているはずだが」
エル「その力も、街の発展と切れない関係にあるのでな」
アーサー「どういう、え? ナゾナゾ?」
マーリン「ついてくれば分かる。まさか、おぬしもあの騎士たちがただの人間とは思っておるまい」
アーサー「あれ? 言われて見れば、騎士って一体……? 『湖』で製造とか合成とか言っていましたけど」

アーサー「人間じゃ……ない?」
マーリン「アーサー。お主は『断絶の時代』についてどれぐらい知っておる?」
アーサー「今から何百年も前に滅んだ文明ってぐらいなら。今でも、森や海底には当時の遺跡があるって話でしたけど」
マーリン「人と妖精とが完全な共存関係を築き、数々の精密機器を妖精の力で管理していた時代じゃな」
マーリン「今の『湖』は、その遺跡の1つじゃ。不完全じゃがワシの手で修復した」
アーサー「ちょ、ちょっと。それじゃあ……」
マーリン「『湖』を操るエルについても手を加えてある」
マーリン「本来の妖精なら、あんな風に『人間にも分かる』ようなやり取りは行えん。ブリテンに住む者なら分かるじゃろう」
アーサー「『湖』ってのは何なんですか?」
マーリン「『湖』自体は使い方次第でいくらでも応用はできる。エクスカリバーを作ったのもここじゃ」
マーリン「騎士製造に使う場合は、設計図を基に命を作る装置として機能させる」
マーリン「元々、ブリテン中の王や英傑から『因子』はかき集めていた。結局、その後の内紛で有効に活用する機会は失われたがな」
アーサー「その『因子』を使い、妖精の操る太古の装置で製造された……騎士」
エル「製造された騎士は、王や英傑の性質をベースに、私達の技術で人間を超えた肉体を与えられるのだぞ」
アーサー「こんなのまともじゃないです……」
アーサー「『『外敵』』を追い出すためには、ここまでしなくちゃいけないんですか!?」
マーリン「それが現実じゃ」
マーリン「嫌なら一刻も早く、この戦争を終わらせるしかない。それができるのは、ワシではなく王たるお主であろうな」

遺物の探求者

アーサー「確かマーリンさんが、極めて強力な騎士が味方になってくれるって言ってましたけど」
アーサー「強力ってどういう……? マッチョですか? マッチョの予感なんですか……?」
ガラハッド「忙しそうなところ悪いけどねえちょっと良い そこの暇そうなヤツ」
アーサー「下手な世辞ありがとうございます何ですか藪から棒に!?」
ガラハッド「私はガラハッド。マーリンのヤツに、ここへ来れば『断絶の時代』の遺跡や遺物の探索に役立つ者がいると聞いてきたわ」
アーサー「ああ、そういう……そういう騙し方向ですか」
ガラハッド「何遠い目してんの」
アーサー「神が騙せと仰っていますので全力で騙させていただきます」
アーサー「正直、遺跡とか遺物とかサッパリですが多分そこはそれ! 僕が最高のパートナーとかとりあえず適当に言っちゃいますがさあどうです!」
ガラハッド「まー『断絶の時代』関連に近づけんなら何でも良いわ。なんたって私はそのために作られた騎士なんだし」
ガラハッド「何だか他の王はみんな覇権争いばっかで聞く耳持たないし、話のできる王と出会えただけでもラッキーよね」
アーサー「他の王……? 言われてみれば、僕の他の王様って何してるんですか?」
ガラハッド「共食いの真っ最中みたいだけど」
アーサー「は……?」
ガラハッド「だからガブガブだ」
ガラハッド「まー王になりたい連中があんなに集まってんだもん。玉座が1つしかないってんなら奪い合いになるわ」
ガラハッド「そのために使えるでしょ、マーリンの模擬戦。ライバルは早めに潰す、相手の財力や技術力は奪う。やりたい放題ってヤツよ」
ガラハッド「元々は、こうならないためのエクスカリバーだったのにバカだよねー」
アーサー「仲間同士で、共食い……?」
アーサー「あれだけ海岸線でボロボロにやられて、『外敵』の怖さは分かったんじゃないですか!?」
ガラハッド「怖いから自分で手綱を握ろうとしてんじゃない?」
ガラハッド「それに、マーリンの奴はこういう構図を意図的に作りたがっていたようだしね」
アーサー「どういう、意味ですか?」
ガラハッド「ブリテンの技術力を上げるために、わざと危険を煽ってんの」
アーサー「わざと対立構造を作る事で、相手に勝つための技術を自然に開発しようとしてるんですか」
アーサー「王様は多くても政治を混乱させます。『外敵』と戦う気概もないのに居座られても困るはず。だから自然と強い候補だけが残るように……」
ガラハッド「回りくどいやり方だわ」
ガラハッド「まあ、それで『断絶の時代』の遺跡や遺物を掘り起こす技術も向上できりゃ良いんだけど」
アーサー「……」
ガラハッド「『人間のやり方』に早くも怖気づいた?」
ガラハッド「私に協力すればそっちにも協力するわ。まずは善意の戦争とやらにでも参加して見る?」

外敵と魔法資源

エル「『外敵』の侵攻の準備が、また整えられているよーなのだぞ」
アーサー「何でこう『外敵』はブリテンを狙うんですか? 『外敵』の大陸の方が広そうなのに」
マーリン「魔法資源の問題じゃな」
アーサー「魔法資源?」
マーリン「ブリテンでは当たり前のように魔法が使えるが、『外敵』の大陸はそうはいかん」
エル「私たちのような妖精も、大陸では十分に活動できないのだぞ。ブリテンの森や遺跡に多数いる妖精を戦に駆り出させても力は半減するはずだ」
アーサー「どうして『外敵』の大陸だと魔法が使えないんですか?」
マーリン「『外敵』はワシらより優れた工学技術を持つが、それが環境汚染に繋がった」
マーリン「妖精は森や遺跡を好むが、ブリテンの森のいくつかは、魔法の力を振りまくために作られた『断絶の時代』製じゃ」
マーリン「元々は植物園のようなものだったようじゃが、今では普通の森と混ざり合って区別がつかなくなっているがのう」
マーリン「これは一例じゃ。他にも、火山、河川、砂丘、平原、それらも『断絶の時代』が関わっておる」
マーリン「何処にでも転がっているものが魔法の力を支えており、『外敵』の大陸にはそれがないのじゃ」
アーサー「『外敵』はその事に……?」
マーリン「気づいておらぬさ。せいぜい、ワシらが特殊な技術を持っているとでも思っておるのじゃろう」
エル「『外敵』の魔法と言えば、せいぜい古来から生き続けてきた『ドラゴン』を飼い慣らして使用させる強力なブレス程度のものかね」
エル「人間が直接使う魔法の技術など伝わっていないと思われるぞ」
マーリン「おまけに、その『ドラゴン』もその巨体を維持するために、大量の食物を必要とする」
マーリン「彼らは『ドラゴン』を救国の象徴にしているようじゃが、実際、大陸の森や山を切り崩しているのは『ドラゴン』じゃ」
アーサー「『外敵』の方も完璧って訳じゃないんですね」
マーリン「じゃが、侵略者に付き合う義理はない」
マーリン「せいぜい、ブリテンをあのような形にしないよう、反面教師として参考にするぐらいじゃな」

カメリアド救国

マーリン「我々が『外敵』に後れを取った理由の一端に、エクスカリバー、円卓、そして騎士の同調に問題がある点が判明した」
マーリン「そこで円卓を管理する一族の者をここに召集し、円卓の再調整を願いたいのじゃが」
エル「この一族はブリテン中央、カメリアド領を治めているのだが、その土地を巡ってリエンス王の軍が侵攻作戦を展開しているのだぞ」
エル「リエンス王を蹴散らさないと、あの一族も協力どころではないな」
マーリン「目的は円卓の現管理者である、王女グィネヴィアの救出」
マーリン「『外敵』と戦うためにも、彼女の協力は必須じゃ」
マーリン「肝に銘じろ。以上じゃ」

ガラハッド「まーそんなこんなでカメリアドなんだけど」
ガラハッド「……これ、『断絶の時代』の遺跡や遺物の探索と関係あんでしょーね?」
アーサー「やーですね! チョーありますよカメリアドがハッピーなら探索にも時間が割けて僕もハッピーあなたもハッピーですって!」
ガラハッド「……うん。嘘だったら後でケツから剣をねじ込んでやろう」
アーサー「この会話に選択肢が欲しいんですが!」
ガラハッド「ほら行くわよアーサー」
ガラハッド「さっさとリエンス王とやらぶっ飛ばして『断絶の時代』探索の地ならししなくっちゃ」

リエンス兵1「うわあ!?」
リエンス兵2「ぞっ、増援です!! カメリアドの正規軍ではありません!!」
リエンス「一体どこの誰が……!?」
ガラハッド「ほらアーサー。ボスキャラ見つけたからさっさとやっちゃいなさい」
リエンス「き、さま……!! この俺を、リエンス王と知って口を開くか!!」
ガラハッド「んー長くなりそう? ならその辺はアーサーに頼むわ」
アーサー「嫌な所ばかり押し付けますね!」
リエンス「許さん……。絶対に許さんぞ。この王に向けて唾を吐いたその大罪、この剣を持って償わせてやる!」
ガラハッド「(……もーこの隙にズバッとさー)」
アーサー「マナーです静粛に! っつかホントに国取りに興味ない人ですね!!」

リエンス「はぁ……はぁ……!! あの娘は11人の支配者への良い土産になると思ったのに」
リエンス「た、退却する!! お前たちは時間を稼げ! 王の命を担っているのだぞ!! 死を賭してでも必ず守れ!!」
ガラハッド「行けアーサー! 背中を刺せー!!」
アーサー「静粛にお願いします! 深追いしなくても良いでしょう!」
ガラハッド「ザックリやった方が簡単なのにー」
アーサー「リエンス王はまだしも、あれのために捨て駒にされる兵たちまで斬りたくないんです」
アーサー「領と姫君が守れただけで良しとしても良いんじゃないですか」

エル「リエンス王とその軍勢が、カメリアド領から撤退するのを確認したのだぞ。我々と同盟関係を築けば、しばらくは手出ししてこないはずだ」

マーリン「グィネヴィアも無事じゃ」
マーリン「ご苦労じゃった。次も頼むぞ」

姫君グィネヴィアの乱心

グィネヴィア「あなたがアーサーですの?」
アーサー「そ、そうですけど」
グィネヴィア「私がグィネヴィア。カメリアド領の王女です」
マーリン「円卓の管理者がいれば、エクスカリバー、円卓、騎士の同調の不具合も解消されよう」
アーサー「はあ、不具合? それって直せるものなんですか?」
グィネヴィア「ちょちょいのちょいでしてよ。というか、マーリン。アレンジするにしても、ずいぶんと雑な方法を選びましたわね」
マーリン「数を揃える方が先決じゃった。何しろ、アーサーの数が予想以上に増えたものでな」
マーリン「しかし、これはこれで利点もある。キャメロットの円卓と各々のアーサーが持つ円卓模型に優劣はない」
マーリン「つまり、完璧に円卓の騎士を壊滅させたければ全てのアーサーを殺しきらねばならぬという訳じゃ」
グィネヴィア「(んん? ですけど、それでは円卓同士で競合が起こらないものなのかしら……?)」
アーサー「ええと、結局直るんですか?」
グィネヴィア「ですからちょちょいのちょいと言いました。それよりも……」
アーサー「?」
グィネヴィア「まずは1発ぶん殴らせてくださいませ」
エル「おおっ! アーサーまさかのボッコボコだな!! その上1発でもないのだぞ!」
マーリン「あまりの事態に声も出なくなっておるな」
グィネヴィア「お黙りなさい。アーサー、そこのアーサー。あなたはカメリアドへ攻め込んだリエンス王を見逃したそうですね?」
グィネヴィア「な・ん・で! きっちり殺さねえんだよ!!」
グィネヴィア「自らの手を汚すのが怖いかわい子ちゃんですの? だったらこっちで兵を差し向けさせろって言うんですのよ!!」
グィネヴィア「敵はきっちり斬る!! 脅威は完全に取り去る!そこからお勉強が必要なんですのこのぼんくらアーサーは!?」
ガラハッド「その辺にしとけばー? まー私も『断絶の時代』の遺跡や遺物以外は興味ないんだけどさ」
ガラハッド「リエンス王のためにあいつの部下たちが死ぬことはないって格好つけたんだから、最後まで格好つけさせておきなさいって」
グィネヴィア「しゃしゃり出るなこのツンデレめ!!」
ガラハッド「期待されてもそんなの出ないんだからね!」
グィネヴィア「ふん。まぁ良いですわ」
グィネヴィア「……考え方を改めましょう。お楽しみが増えたと思えばよろしいんですのよね」
ガラハッド「(……まー人のことは言えた義理じゃないけど、今度もまたすごいのが来たわね)」
アーサー「(……何で僕の周りには、妖精も騎士もお姫様も誰1人まともな感じの女性がいないんですか!)」
グィネヴィア「聞こえていますわよ?」
アーサー「ぎゃあー!!」

一人歩きしていく恩

エル「グィネヴィア、カメリアドから手紙が届いているのだよ」
グィネヴィア「お父様から……? なになに、えーと」
グィネヴィア「……………………………………………………」
グィネヴィア「アーサー、ちょっとそこのアーサー!」
アーサー「(……どう考えたってデレじゃなさそうです!)」
グィネヴィア「この野郎! これはどういう裏取引をしましたの!?」
エル「おお!! アーサーが襟首掴まれて宙ぶらりんに!」
エル「となるとこのまま振り回して豪快にぶん投げるつもりみたいだな!!」
グィネヴィア「い、いえそこまでは……そうではなく!」
グィネヴィア「どうもこうもありません! ここ、手紙のここ!」
グィネヴィア「カメリアド領の危機に立ち上がりし王に経緯を表し、我が娘を娶っていただきたい」
グィネヴィア「あの頑固オヤジがそう簡単に娘を手放すとは思えません。これは一体どういう事ですのアーサー!?」
エル「グィネヴィアが秒殺でデレたのだぞ!」
アーサー「外的要因に左右されている場合は適用されないんです! あと真相はあなたのお父さんに聞くように!」
グィネヴィア「ありがた迷惑みたいな顔をされるのもそれはそれで腹が立ちますわよ!」
アーサー「そもそも、カメリアドを救ったアーサーって、僕以外にも無数にいるんじゃ……? 手紙のアーサーとは誰を指しているんですか」

グィネヴィア「……。少々お待ちなさい。言われてみれば、円卓模型もかなりの数があったはず。剣を抜いたアーサーは一体……?」
エル「んーと」
エル「現時点でエクスカリバーを抜き、ブリテンの王の候補者として活動しているアーサーは、男女合計101万7002人となるな」
グィネヴィア「ぶっ!? ちょ、ちょっとそのリストを寄越しなさい!」
グィネヴィア「……お、お父様の手紙にあった通り、カメリアド救国に貢献した『アーサー』に娶られるとなると、最悪、この全員が対象に……?」
エル「記録に挑戦なのだな」
グィネヴィア「何でこの妖精は下ネタ機能まで搭載していますの!?」
グィネヴィア「冗談じゃありません……。普通の殿方はおろか子供から老人、果ては同じ女性まで……」
グィネヴィア「アーサー!! このケダモノ! カメリアド領の王女グィネヴィアに一体何をしでかすつもりですのあなたは!?」
エル「アーサーがくの字に! さらにここから追加掴み技へ派生するかー!?」
グィネヴィア「そこまではしません!」
グィネヴィア「……しかし、この内容が外に漏れれば目も当てられない事になりそうですわ」
グィネヴィア「アーサー、そこのアーサー。ひとまずあなたが私をキープした事にしておきなさい」
グィネヴィア「他が言い寄ってきた際にはあなたが私を死守する事。分かりましたわね?」
アーサー「いや別に僕はデレるまで根気良く水をやり続ける自信も……」
グィネヴィア「分・か・り・ま・し・た・わ・ね!?」
アーサー「またこのパターンですか!?」

難敵

エル「きっ、緊急だぞ!?」
エル「キャメロット騎士国家郡へ、何者かが攻撃を仕掛けよーとしてるのだぞ! 詳細は不明。今はとにかく迎撃しなければならん!」
マーリン「切磋琢磨を目的とした、アーサー同士の対立とは違う。敗北はそのまま民の死に直結する。心してかかれ!!」

アーサー「何ですかあれ? 『外敵』とは違うみたいですけど。まさかリエンス王とか?」
グィネヴィア(通信)「リエンス王ですって!? アーサー、分かっていますわよね!! 今夜は串刺しパーティですわ!!」
ガラハッド「まー何だって良いよ」
ガラハッド「『断絶の時代』の遺跡や遺物とは関係なさそうだし。私は隅っこで昼寝でもしていたいなあ」

アーサー「ぐっ! こいつらメチャクチャ強いです! しかもリエンス王どころか、こいつらの構成は……!」
ガラハッド「私達と同じ、『湖』で作られた騎士みたいね。……となると、あら。『断絶の時代』が関わってるって事!?」

アーサー「『湖』を使うだなんて。『外敵』じゃないし、僕たちと同じキャメロットの匂いもないです。一体何なんですかこいつら!?」
ガラハッド「そこは悩む場面じゃないわ。俄然楽しくなってきた場面よ!!」

アーサー「どうにか……終わった、んですか?」
ガラハッド「ん? アーサー、そこ立ってると死ぬわよー」
アーサー「んんっ!?」
アーサー「げほっ、げほっ!!」
アーサー「くそ! 今度は何ですか!?」
ロット「避ける程度の腕はあるか。だが物足りぬ」
ガラハッド「いやぁー……流石にヤバそう。アーサー、急いで構えないと多分死ぬわ」
ロット「今日は挨拶だ」
ロット「すぐに皆、集まる。その時こそ、脆弱な剣の終わりと思え」

エル「……謎の勢力は撤退。キャメロット都市国家郡の民に犠牲はなかったのだぞ」
グィネヴィア「リエンス王よりは良い男でしたわね」
マーリン「その色男についてだが、つい先ほど書状が届いた。連名でな」
マーリン「ロット王、ユリエンス王、ネントレス王、イドレス王、クラリアンス王、ブランデゴリス王」
マーリン「クラデルメント王、アングイッシュ王、カラドス王に、カンベネット公と『100人の騎士の王』と呼ばれる英傑」
アーサー「ブリテンの各地方をまとめる、地方領主が勢揃いじゃないですか!?」
グィネヴィア「そのいずれも、エクスカリバーを抜けなかった者ですわね」
マーリン「ヤツらがどうやって『湖』や、そこから製造された騎士を使っているかは分からん」
マーリン「分かっているのは1つ」
マーリン「我らの名は、11人の支配者。ブリテンの一員として、エクスカリバーとその王政を認めぬ者なり……だそうだ」

コメント

コメントはありません。 ストーリー/魔法の派/第1章/コメント