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Last-modified: 2014-02-17 (月) 04:47:29

魔法の派 第3章

暗躍

ロット「モードレッドの件は失敗に終わったようだな」
モルゴース「あら。どうして?」
ロット「どうしても何も、あれはキャメロットの軍勢として動いているだろうが」
モルゴース「ふふ。果たして本当にそうかしらね」
モルゴース「あれはすでに、製造段階で裏切りを設定されている騎士。本人の望む望まないなど関係ないわ」
モルゴース「短期的にはキャメロットの力となるでしょうけど、長い目で見れば間違いなく害となる」
ロット「……」
モルゴース「気に入らないという顔をしているわね。ご自慢の騎士道精神にそぐわないかしら」
モルゴース「ただ、あなたが使っている騎士にしたって、製造から数日で腐るようなものなのよ?」
ロット「戦で倒れるのであれば、そこに真っ向からの勝負があれば、数日の命とて輝くであろう」
ロット「だが貴様のやり方には名誉がない。それはただ弄んでいるだけだ」
モルゴース「魔女ですもの」
モルゴース「その倫理の外れた相手と手を結んだのはあなたでしょう? なら、多少の覚悟はしてもらわなくては」
ロット「エクスカリバーを抜けず、それでもブリテンの王を目指した時点で私も道を外した」
ロット「だが勘違いはするな。11人の支配者はブリテンのために罪を負う。愉悦のために倫理を捨てたのではない」
モルゴース「それで良いわ」
モルゴース「せいぜい魔女に嫌悪を抱きなさい。私達は、その嫌悪を含めてあなた達の本質を嘲笑う」
ロット「ふん」
ロット「ところで、ユリエンスはどうした?」
モルゴース「妹のモーガンと組んで何か悪巧みをしているようね。ユリエンス王は人間レベルの魔法に詳しいようだし、息が合うのかしら」
ロット「あのじゃじゃ馬は直接暴れ回る方が好みのようだが?」
モルゴース「ともあれ、すぐに動くでしょう」
モルゴース「ユリエンス王らしい、狡猾な手口でね」

予定外の来客

エル「緊急なのだぞ。ブリテン南方の海岸線、ソールズベリーに『外敵』が上陸しよーとしている」
エル「近隣住人の避難は間に合いそーにない。至急、『外敵』を押し返し……」
グィネヴィア「ちょっと待ちなさい! 11人の支配者の勢力が進軍ルートを妨害していますわ!!」
グィネヴィア「装備から見て、ストランゴル王ブランデゴリスとその軍勢でしょう!!」
マーリン「『外敵』の侵攻を利用するつもりか……? キャメロットに協力する都市を確実に潰すために!!」
エル「連戦を覚悟しておけ。11人の支配者を撃破し『外敵』に襲われつつあるソールズベリーを防衛するんだ!」

アーサー「11人の支配者の1人、ブランデゴリス」
アーサー「『外敵』を利用するとか、正気の沙汰なんですか!?」
ガラハッド「マーリンだって似たような事考えていたじゃん」
ガラハッド「つーか今回も『断絶の時代』関係ないし。もうさっさと邪魔者蹴散らして『外敵』を押し返すわよ!!」

アーサー「まずいです。思ったより時間がかかります……!」
アーサー「早くソールズベリーに行かなくてはいけないのに!」

ガラハッド「チッ、雑用のくせに難易度高すぎ!」
グィネヴィア(通信)「『外敵』がソールズベリーに迫っています!! 泣き言を言う暇で突き進みなさい!!」
アーサー「……見つけました」
アーサー「あれが軍勢を指揮するブランデゴリス王です!!」
ブランデゴリス「行かせはせん」
ブランデゴリス「確かに、我が腕ではエクスカリバーやその指揮下にいる本物の騎士達は打ち倒せぬかもしれぬが」
ブランデゴリス「時間を稼いでも勝ちは勝ち。ソールズベリーに被害が出れば、キャメロットへの支援も滞るであろうからなあ!!」

ブランデゴリス「はぁ……はぁ……ぐっ!! こ、ここまでとは」
アーサー「生憎、構う時間はありません。早くそこをどいてください!!」
エル(通信)「ソールズベリーに急ぐのだぞ!」
アーサー「やっと本番ですか……。ソールズベリーを襲おうとしている『外敵』を……!!」
グィネヴィア(通信)「うそ、でしょう……?」
アーサー「ソールズベリーから、煙が……!?」

マーリン「ソールズベリー近辺の沿岸部で、『外敵』の上陸を確認した」
マーリン「現状、近辺の被害は不明。アーサー、ソールズベリーへ向かってくれ」

襲撃されし地で待つものは

アーサー「……ここがソールズベリー」
アーサー「でも変ですよ。『外敵』に攻め込まれたはずなのに、人も建物も無事だなんて……」
ガラハッド「爆発は見えたのにね。『外敵』がどこに行ったのかも気になるわ」
エル(通信)「む。見るのだぞ!」
アーサー「これって……『外敵』?」
ガラハッド「どうやったらここまでグシャグシャになんのよ」
市民「おうさま?」
アーサー「無事、みたいですね」
市民「助けてもらったから、大丈夫」
ガラハッド「一体誰に?」
市民「ロット王」
アーサー「!?」
市民「ロット王が、助けてくれたの」

アーサー「まさか、ここでロット王の名前が出てくるだなんて」
ガラハッド「あっちもこっちも『外敵』の残骸だらけじゃない」
マーリン(通信)「気をつけるのじゃ、アーサー。いるぞ!!」
ロット「ようやくのご到着か」
アーサー「ロット王……。何の真似ですか。自分で襲って自分で助けて!」
ガラハッド「自分に酔いたいだけでやったってんなら、逆に尊敬するわ」
ロット「組織が肥大すると困った問題も生じるものでな。クズが先走った」
ロット「その非礼は認めよう。だが、港湾都市サフォークの借りはこれで返したぞ」
ブランデゴリス「おお、おおっ!! ここにいたか、ロット王よ!!」
ロット「ブランデゴリス王か」
ブランデゴリス「こやつ等が問題のアーサーだ!! ロット王よ、私に力を貸せ。今こそ11人の支配者として、共に敵を討とうではないか!!」
ロット「……」
ブランデゴリス「な、に……?」
ロット「11人の支配者とは、エクスカリバーを認めず、それでもブリテンの民を守ろうとする者の集い」
ロット「私欲と個人の栄誉のため、『外敵』に手を貸し民に犠牲を強いるようなクズに与える席などない」
ブランデゴリス「ロッ、ト……がふっ!?」
ガラハッド「エグいやり方ね」
アーサー「『外敵』をあそこまで破壊する武力を、何故平気な顔で仲間に振るえるんですか!?」
ロット「民に規律を強いる王こそいが、規律を重んじなければならん。ブランデゴリス王はその事を軽んじたのだ」
アーサー「つまり、民衆に対しても平等に振る舞うって訳ですか。その剣を使って!」
ロット「その甘っちょろい、騎士道とも呼べぬ騎士道でブリテンをまとめられると本気で信じているならやってみろ」
ロット「11人の支配者は決してなびかぬ。この双肩にブリテンの国と民の命運がかかっている事を自覚しているからな」
ガラハッド「言うだけ言って行きやがった」
マーリン(通信)「……追撃は難しそうじゃな。向こうの魔女が何かしらの干渉を行っておるようじゃ」
ガラハッド「ただでさえ面倒なのに、板挟みになったわね」
アーサー「ロット王……」

カボチャと冬の魔女

アーサー「……宮殿の喧騒を離れた畑の景色がやたらと心地良いです」
アーサー「……疲れているんでしょうかね?」
アーサー「ん?」
???「(キョロキョロ)」
???「カ・ボ・チャー。かぼちゃのすーぷー」
アーサー「何してんですか野菜ドロボー!!」
???「っ!? か、勝手に見てんじゃねーよ見物料取るわよ!!」
アーサー「謎の野菜ドロボー超強気ですよ!?」
???「ふっ、馬鹿馬鹿しい。この冬の魔女を見てその程度の言葉しか浮かばないだなんて」
アーサー「ここがホームだって事を忘れているんですかアウェイ野菜ドロボーめ。であえー農民達! 怒りをぶつける時が来たようですよ!」
???「くっ、いつだってそう。無知な民衆によって魔女は迫害されるのよ!」
???「だがアンタには私を捕まえられない。今日はこれ1つで勘弁してあげるわ。冬の魔女の気紛れに感謝する事ね」
アーサー「大魔王みたいな野菜ドロボーでしたね」
アーサー「……それにしても、魔女?」

モーガン「カ・ボ・チャー」
ユリエンス(通信)「あの、モーガン。少々お尋ねしたい事があるんですが」
モーガン「ご、ごほん!! ……何よ?」
ユリエンス(通信)「あなたのメモに従って準備を進めているところですが、何ですか、この異様な寒さは……?」
モーガン「アンタの城のオンボロ設備じゃできる作業もできないってのよ」
モーガン「だから私が1から設備を整えている。もっとも材料が材料だから、できあがる物だってどうしても質は落ちるけど」
ユリエンス(通信)「それとこの寒さがどう関係して……?」
モーガン「それが分かっていない時点でアンタの魔法の知識も知れたものね」
モーガン「私は他の姉と違ってこういう回りくどいのは苦手なのよ。だから私の代わりに考えてくれる道具を置いた」
ユリエンス(通信)「……?」
モーガン「分からないなら尋ねてくんなっつーの……。まぁ良い。これが冬の魔女のやり方だって事だけ理解していれば?」
ユリエンス(通信)「しかし、この寒さの中での作業は堪えそうですね」
モーガン「対策ぐらい自分で考えなさいよ」
ユリエンス(通信)「……カボチャのスープ、ですか?」
モーガン「ぶっ!? ど、どこでそれを……」
モーガン「で、でもそれだけじゃないわ。座標の測量も必要だったし」
ユリエンス(通信)「では、キャメロットへの攻撃準備はほぼ整ったと見ても?」
モーガン「……アンタって、先にロットのオークニーをやりたい訳? それともキャメロットぶっ潰してロットを黙らせたい訳?」
ユリエンス(通信)「得られる結果が同じなら、順番は問いません。で、どうなのですか?」
モーガン「あのオンボロ設備で数値入力ができればの話だけど、ひとまず必要なピースは揃った」
モーガン「成功すれば、キャメロットなんて着弾1発で木端微塵よ」
モーガン「……私達の、ドラグーンファングでね」

天秤は魔法へ傾く

マーリン「11人の支配者の内情を探るために放っていた密偵から報告があった」
マーリン「どうやら11人の支配者は、各々の王が均等な発言力を持っている訳ではないらしい」
グィネヴィア「つまり、組織が派閥で分かれているという事ですわね」
エル「武力を重んじる、オークニー王ロット。魔法を重んじる、ゴア王ユリエンス」
エル「先の『外敵』を利用したソールズベリー襲撃は、ユリエンス王勢力が独自に行ったよーなのだぞ」
アーサー「そこへロット王が横槍を入れたって訳ですか」
マーリン「11人の支配者は強大じゃ。全ての王やその軍勢が万全の状態で激突すれば、こちらもかなり消耗する」
マーリン「だが、彼らは組織内の主導権争いで内部抗争を起こしつつある。この流れに乗じる事ができれば突破口に繋がるはずじゃ」
グィネヴィア「つまり分裂しかけて連携の取れない派閥を私達の手で潰していくと」
グィネヴィア「……相変わらずあくどいやり方ですこと」
アーサー「……」
エル「ロット王とユリエンス王。どっちも強敵だが、優先するべきは魔法に長けたユリエンス王かね」
マーリン「エクスカリバーや円卓のないアーサーが万全の力を振るえぬように、兵力よりも屋台骨を折る方が効果は高いじゃろう」
マーリン「おまけに、直接的な兵力に乏しいユリエンス王は内部抗争にケリをつけるため、かなり大規模な魔法の兵器を開発しているらしい」
エル「ドラグーンファング」
エル「詳細は不明だが、あの強靭なロット王の軍勢を1発で蹴散らすほどの破壊力があるのではないかね」
マーリン「今のキャメロット都市国家群と同じじゃな。適度な危機感が技術に革新をもたらす」
マーリン「ドラグーンファングが単なる内部抗争から、キャメロットに向けられるのは絶対に避けたい」
マーリン「よって、兵器の完成前に、最優先でユリエンス勢力に片をつけるのじゃ」
エル「さっきマーリンが言っていたがね」
エル「魔法の技術に長けたユリエンス王を倒す事は、直接的な兵力を多く持つロット王勢力の装備の弱体化にも繋がるのだぞ」
グィネヴィア「逆に、派閥の内部抗争が終われば、11人の支配者は一枚岩になってしまう」
グィネヴィア「はぁ。確かに、これは手段を選んでいる場合ではなさそうですわね」
マーリン「ただし、ユリエンス王の治める本拠地ゴアは、極めて強固な結界で守られた魔法要塞じゃ」
マーリン「物資、人員のやり取りのため、わずかに開いているルートは2つ」
エル「刀剣鉄橋と水没大橋。各々、危険な難所として機能するのだな」
マーリン「どちらから攻めるかは、アーサー、お主が決めろ」
アーサー「……どちらも危険な匂いしかしないんですが?」
ガラハッド「そういう時はあれじゃない?敢えて面倒臭い方の試練に挑戦するのだー的なー」
アーサー「じゃあせめて水没大橋で!」
グィネヴィア「こいつ楽な方を選びましたわ!」
ガラハッド「やると思った。まさに作戦通りよチキン野郎!」

ここは敢えて水没大橋

エル「11人の支配者の内部抗争に乗じ、魔法要塞ゴアを治めるユリエンス王を攻めるぞ」
マーリン「ゴアの入り口は2つしかない。刀剣鉄橋と水没大橋。アーサーは水没大橋を選んだようじゃな」
マーリン「水没大橋は文字通り、水の中にある巨大な橋じゃ」
マーリン「利用者はユリエンス王の魔法で守られるが、許可なき者は水の底に沈めると言われておる」
エル「当然、橋の上で戦う際は、ユリエンス王勢力が圧倒的に有利になる」
エル「くれぐれも気をつけるのだぞ」

アーサー「水没大橋……。何で魔法使いっていうのはこういうおどろおどろしいものが大好きなんですか」
ガラハッド「戦う意欲を奪うためじゃない? ま、『断絶の時代』に比べりゃ悪趣味も可愛いもんだけど」
ガラハッド「ともあれ、橋を渡っちゃって、内側から結界ぶっ壊せばこっちのもんでしょ。さっさと味方の軍勢を行きいれるわよ」
アーサー「……毎度毎度思うけど、これ王様の仕事じゃないですよね」
グィネヴィア(通信)「無駄話はそこまで。ユリエンス王の警備兵達が集まってきましたわ。残らず蹴散らして差し上げなさい」

アーサー「くそ、予想通り! 予想通りの大苦戦ですよ!!」
ガラハッド「今からでも刀剣鉄橋に向かってみる?」
アーサー「そっちもそっちでヤバそうですよ! ああもう、さっさと渡って休憩したいです!!」

アーサー「渡った……はは、突破しました!!」
ガラハッド「マーリンさっさと応答して。面倒な結界ぶっ壊して大軍勢に後を任せましょう」

エル「水没大橋の突破を確認。魔法要塞ゴアを覆っていた結界も解除されたのだぞ」
マーリン「11人の支配者側も慌てて態勢を整えようとしているようじゃが、もう遅い」
グィネヴィア「結界にわずらわされず、自由に軍勢を送れるんですもの。さっさと根暗なインテリを叩き伏せてさしあげましょう」

一角

マーリン「魔法要塞ゴアの中心部への侵攻の道筋がついた」
マーリン「ユリエンス王を倒し、11人の支配者の大派閥にケリをつけるのじゃ」
エル「幸い、開発中のドラグーンファングが動く気配はないのだぞ」
エル「完成を妨げるためにも、必ずここでユリエンス王を倒すべきではないかね」
グィネヴィア「ただ、魔法要塞ゴアでは魔女の1人、モーガンの活動が報告されていますわ」
グィネヴィア「ユリエンス王も魔法に長けていますが、モーガンの方はほぼ未知数」
グィネヴィア「人工的な方法で妖精の性質の一部すら手に入れたほどの怪物。油断すれば1撃で食われますわよ」

ユリエンス「どういう事ですか、モーガン! ドラグーンファングがあればロット王もキャメロットも怖くはないと……!!」
モーガン(通信)「完成しなかったもんはしょうがないでしょ」
モーガン(通信)「ぐちぐちとうるさい。あれの完成が遅れたのはゴアの設備の劣悪さに原因があるわ」
ユリエンス「11人の支配者でも最大の魔法研究施設を、劣悪と評しますか。流石は魔女です……!!」
モーガン(通信)「罵倒されてハァハァしてんじゃないわよ。それより、ほら、来たわ」
ユリエンス「わ、私はどうすれば!?」
モーガン(通信)「王様らしく正々堂々と戦えば? 運が良ければ私が着くまで生きてるかもね」
アーサー「ユリエンス王!!」
ユリエンス「くっ……」
ユリエンス「ふふ。エクスカリバーですか。こうして間近で見ると、本当に惜しい」
ユリエンス「魔女ではなく、真の妖精が作り出した剣。是非入手し、徹底的に解析したかったものです」
アーサー「こっちも好きで王様やってる訳じゃないけど、アンタに剣を渡すよりはマシそうです」
ユリエンス「ならばそれでも構いません」
ユリエンス「100万人のアーサーを殺した後に奪えば良いんですからねえ!!」

ユリエンス「ぐっ!?」
アーサー「何とかなりそう、ですか?」
ガラハッド「魔法だけでブリテンを治められるなら、マーリンも苦労はしないでしょ。何しろあいつがトップクラスなんだし」
ユリエンス「ふふ。魔法使いにも意地があります……。世の理も知らぬ輩に見下される覚えはない!!」

ユリエンス「がばぁ……!? う、うぅ」
ガラハッド「ちょろいわ。後は開発中のドラグーンファングと開発施設さえ破壊すれば……」
モーガン「なーんだ。ユリエンスのヤツ、結局もたなかったか」
ガラハッド「!?」
アーサー「誰ですか!?」
モーガン「あらむかつく。他人行儀なご挨拶だなんて。殺し合う者同士、もっとフレンドリーで良いのよアーサー?」
アーサー「誰だか分からない人で良いですか?」
モーガン「モーガンよ」
モーガン「モーガン=ル=フェイ。11人の支配者に協力している3人の魔女の1人って言えば分かるかしら?」
モーガン「私の素性も。殺し合いは続行って事もねえ!!」

魔女の片鱗

モーガン「チッ。ユリエンスも、所詮は根暗なモヤシ野郎か」
アーサー「魔女モーガン……」
アーサー「まだやりますか? ユリエンス王勢力は瓦解寸前です。……こっちとしても、これ以上ヤバそうなのと戦いたくないんですけど……」
モーガン「エクスカリバーを手にご満悦ねアーサー。……その剣が、それほどの血の上に成り立っているかも分かってないくせに」
アーサー「なん、ですって?」
モーガン「知る必要はないわ。私は姉と違って、複雑なのとか回りくどいのは嫌いでね」
モーガン「アーサー。私とアンタは殺し合う関係だって事さえ分かってりゃあ十分よ!!」

アーサー「くそっ、無意味に強い女ですね! モーガン、ゴアの逆転はもうありません! なのに何故戦うんですか!?」
モーガン「はぁ? 誰がこの程度でやめるって?」
モーガン「魔女の力をちょっとナメてんじゃないの? 大体、そっちに理由はなくたって、こっちにゃアンタを殺す理由があるんだっての」
モーガン「そ・れ・に。せっかく準備してきたものを、1度も使わずに終わりにするのもあれだしね」
ガラハッド「くそ……」
アーサー「ドラグーンファング!?」
モーガン「元々はキャメロットを直接狙う、超長距離兵器として開発していたものだったけど、照準関係が間に合わなかった」
モーガン「ただ、ここまで近けりゃ嫌でも当たるわよねえ!!」
ガラハッド「完全に飛んでるわね。自分自身を巻き込むって分かっててやるか!?」
アーサー「これが……魔女」
モーガン「言ったでしょ。私は姉と違って複雑なのとか回りくどいのは嫌いなの」
モーガン「さあ、ユリエンスが倒れた以上、あいつを巻き込む心配もなくなった訳だし、ガッツリ本気でいきましょうかあ!!」

ガラハッド「ドラグーンファングのせいで魔法要塞ゴアが崩れる……」
ガラハッド「アーサー、ユリエンス王勢力は再起不能、ドラグーンファング関連の施設も破壊したわ。さっさと脱出するわよ!」
モーガン「ふん。これで私だけ生き残ってもつまらないわね」
モーガン「アーサー、次を楽しみにしていなさい。ブリテンの災厄である、魔女の次の手を」

エル「ユリエンス王の撃破と、魔法要塞ゴアの崩壊を確認したのだぞ」
マーリン「負傷したユリエンス王は確保できなかったが、基盤となるゴアが失われた以上、大規模な研究などは行えまい」
マーリン「11人の支配者は確実に弱体化しているようじゃ。今回はよくやったな、アーサー」
グィネヴィア「それにしても、拠点であるゴアを破壊してまでアーサーとの戦いを楽しもうだなんて」
グィネヴィア「魔女というものは、想像以上の相手のようですわね」

もう1人

エレイン「モーガンが、アーサー達に退けられましてよ」
モルゴース「相変わらず耳が早いのね。またお得意の『変装』で情報を集めたの?」
モルゴース「……傷はそれほど深くなかったようだけど、モーガンはおかんむりよ」
エレイン「アーサー達にではなく、ユリエンス王達に?」
モルゴース「11人の支配者達の力に不信感を抱いているわ。彼らに協力することはもうないでしょう」
エレイン「姉君はどうするおつもりで?」
モルゴース「どうとは?」
エレイン「私もモーガンに賛成だと言っているのでしてよ」
エレイン「私達の目的はキャメロットやエクスカリバー、そしてマーリンの計画の打倒」
エレイン「11人の支配者に尽くす事ではなくてよ」
モルゴース「利用できるなら利用するが、足を引っ張るようなら切り捨てる。そういう話?」
エレイン「そういう話ね」
モルゴース「なら、好きにしなさい。あなた流に言わせてもらえば、私はまだ11人の支配者は利用できると思っているから」
エレイン「では、そのように」
エレイン「……姉君って、見た目によらず意外と情熱的よね?」
ロット「魔女の陰気な話はいつ聞いてもくだらんな」
モルゴース「裏切り者は粛清?」
ロット「ふん、どうでも良い。魔女を囲ったのはユリエンス王だ。私は元々反対だった」
モルゴース「安心しなさい。エレインやモーガンと違って、私はまだあなた達と組む気はあるわ」
モルゴース「あなた達だって、玉砕覚悟で突撃するよりは、いくらか勝算のある策に乗りたいでしょう?」
ロット「……何を仕込んだ?」
モルゴース「私がキャメロットに忍び込んで、裏切りの騎士モードレッドを作ったのは覚えている?」
ロット「それがどうした」
モルゴース「せっかく、1回限りの侵入ルートを使ったのよ。小細工が1つだけだなんて、そんなもったいない事すると思う?」
モルゴース「……もうすぐ面白い事が起こるから、楽しみにしていなさい」

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