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Last-modified: 2014-02-17 (月) 09:23:21

魔法の派 第5章

そもそもの脅威

エル「緊急なのだぞ!」
エル「ブリテン北方、ノーサンバランドの海岸線に『外敵』が上陸しよーとしている模様!」
エル「上陸部隊は1等級の『ドラゴン』を多数配備した、これまでにない大規模なものになっているな!」
アーサー「1番巨大なサイズじゃないですか……!?」
グィネヴィア「この面倒な時に、マーリンはどこかへ行ってしまっているようですわ」
グィネヴィア「アーサー、全体の指揮はあなたが執りなさい!」

アーサー「あれが1等級……。ほとんど島のようじゃないですか! しかも何十いるんですか!?」
ガラハッド「楽はさせてくれないわね」
ガラハッド「私達がモタモタしている間に、『ドラゴン』の新しい制御法でも開発したのかしら」
ガラハッド「ただまあ、あんなもん突っ込まされて、『断然の時代』の遺跡壊されちゃ堪らないわね!」
アーサー「ここが防衛ラインです」
アーサー「餌不足の解消で蹂躙されるなんて真っ平です!!」

アーサー「はぁ……はぁ……! 何とか、1匹……!!」
ガラハッド「火事場の馬鹿力ってヤツ……? でも偶然って何度もあてにできないから怖いのよね」
グィネヴィア(通信)「まとめて来ますわよ! 構えなさい、アーサー!」

アーサー「……あれ?」
アーサー「勝っている、んですか? 僕達が、あの1等級『ドラゴン』に!?」
ガラハッド「向こうの猛獣使いがトラブったか? とにかくチャンスはいただくわよ!」

アーサー「あの1等級が……全滅……?」
ガラハッド「単なる敵側の采配ミスって訳じゃなさそうね」
アーサー「11人の支配者と戦っている内に、ブリテンの技術力も向上していた、と? 相手に勝つための試行錯誤のおかげでですか」
アーサー「ブリテンは、エクスカリバーは……僕たちも知らない内に、『外敵』を蹴散らせるレベルにまで達していたっていうんですか」
グィネヴィア(通信)「『外敵』は、ブリテンの領土や魔法資源を狙っていたのではない……」
グィネヴィア(通信)「ここまで急激に発展していくブリテンに、恐怖を感じていたから、という事ですの?」

エル「……ノーサンバランド海岸線に上陸しようとしていた、『外敵』の排除を確認」
エル「1等級『ドラゴン』は残らず殲滅、指揮していた『外敵』の人間も逃走したのだぞ」
グィネヴィア「知らぬ間に、ブリテンはここまで強くなっていた」
グィネヴィア「『外敵』を何とか押し返す、というこれまでの政策の転換期に来たようですわね」
エル「マーリンが戻ったら、1度全体の会議を行って方針を決めた方が良いのではないかね」
エル「ブリテンの未来に関しても、『外敵』の対処にしても」

分かたれる結末までの過程

ガウェイン「ブリテンの軍事力が『外敵』を上回った今こそ我々が大陸へ侵攻を仕掛ける時だ!!」
ガウェイン「国力のバランスなど所詮は天秤。いつまでも維持できるとは限らない」
ガウェイン「こちらに傾いた今この時に行動しなければ、再び『外敵』の陰に怯えて暮らす日々に逆戻りするかもしれないんだ!!」
ランスロット「私は反対だ」
ランスロット「そもそも、キャメロットの戦力は国を守るために編制され、発展してきたものだ」
ランスロット「平和のために蓄えた力で無暗な侵攻を行い、流す必要のない血を流す行為はキャメロットの存在意義に関わる」
ガウェイン「その平和のための戦いを否定するとは、今さら臆病風かよランスロット!!」
ランスロット「そういう貴公こそ、武勲欲しさに殺戮を望む訳ではあるまいな?」
グィネヴィア「ちょっとちょっと、アーサー。……何ですのこれは? 王であるあなたをないがしろにして、勝手に会議が進んでいますわよ」
アーサー「……い、いや彼らの協力がなければブリテンの統一もできなかったんですし、あの、その」
アーサー「マーリンさんは今までこれを綺麗にまとめていたっていうんだから、やっぱりとんでもないですよね」
グィネヴィア「まったく……。他のアーサーにしても」
アーサー(剣)「……」
アーサー(技)「……」
グィネヴィア「似たように圧倒されてしまっているようですし」
エル「こんな時に、マーリンはどこに行っているんだか」
アーサー「そうですね。やっぱり、マーリンさんを捜して場を収めてもらうしかなさそうです」

再会がもたらす疑問

エル「マーリンならキャメロット内にいるはずなのだぞ」
エル「管理システムの外出記録はないから」
アーサー「でもこの宮殿もかなり広いですよ」
アーサー「入った事のない場所も多いですし」
エル「私も全システムを把握できたら簡単に検索できるんだが」
エル「増改築が進んだ区画や、回線が断裂した区画とかはなー……」
アーサー「……うーん、やっぱり妖精の言語は良く分からないですね。まぁ、自分の足で捜せって事なんでしょうけど」

アーサー「エル達も把握できない区画を捜せって言われても……」
アーサー「こっちの方ですかね」
アーサー「ん? あれは……」
エレイン「……」
アーサー「エレイン? ヤベェー! 魔女の1人ですよ!!」
エレイン「あらいやだ。ここはザルの区画なのに」
アーサー「何でこんな所に……」
エレイン「魔女の言葉だ、我々を騙す嘘なんだ、と思うのでは?」
アーサー「く……」
エレイン「冗談でしてよ。ここは妖精も管理不能な区画。忍び込むには最適なの」
アーサー「最適なのじゃなくて、何しに潜り込んだんですか!?」
エレイン「ただで魔女に教えを請えると?」
アーサー「ここ思いっきりホームだってのは分かってますよね?」
エレイン「あら。『変装』が得意な私は妹のモーガンほど魔法戦闘が得意ではないものの」
エレイン「魔女の1人が本気を出せば、火の海になるのはキャメロットでは?」
アーサー「……」
エレイン「あらあらどなた?」
エレイン「私の顔を見られたら困りましてよ。火の海にしなくては」
アーサー「くっ」
エレイン「さあ、どうしまして?」
アーサー「あーもーテーブルの下に!!」
グィネヴィア「アーサー? エルに聞きました。こちらにいらっしゃるんでしょう」
アーサー「グィネヴィアさん!?」
エレイン「狭い……。おやおや、どこを触るつもりでして?」
アーサー「キャー助けてくださいー!」
グィネヴィア「アーサー?」
アーサー「早く行ってください!
グィネヴィア「……この緊急時に、女でも連れ込んで1発やってんじゃないでしょうね」
エレイン「あらアーサー、体が強張っていてよ」
グィネヴィア「エルのヤツ、適当な事を言って……」
アーサー「無事に済みましたか……」
エレイン「あれが円卓の管理者……」
アーサー「もー出てってください。外に出るまで監視して、その穴を塞ぎます」
エレイン「もう少し交渉を学ぶべきでは?」
エレイン「まぁ、余計な争いは回避してもらったし、質問の答えをあげましてよ」
エレイン「私はマーリンの計画を監視していてよ」
エレイン「あの忌まわしい『戴冠作戦』の」
アーサー「戴冠……作戦?」
エレイン「とはいえ、私も計画の全貌には触れられなくてよ」
エレイン「マーリンの研究施設は、完全に警備が独立しているもの」
エレイン「入手できた断片的な資料はこれだけ。……あなたに差し上げましてよ」
アーサー「……」
エレイン「それでは出口までエスコートをお願いできまして、アーサー」

戴冠作戦

アーサー「マーリンさんの『戴冠作戦』……」
アーサー「また厄介事のような……そもそも本当にエレインの資料は正しいのやら」
アーサー「騙すための罠って線もあるんですよね……」
アーサー「目を通してみる……しかないですよね」

レポート「『戴冠作戦』とは小さな都市国家、地方領主が乱立するブリテンを統一する王を作るための計画である」
レポート「計画は古く、ヴォーティガーン王の時代から始まったが、政情の混乱により実施はされなかった」
レポート「実際に、『第1期戴冠作戦』が実施されたのは、ウーサーの時代」
アーサー「ウーサーって、先代のブリテン王の……?」
レポート「ウーサーを用いた『第1期戴冠作戦』は順調に進んだ。多少の攻撃性の増幅は不安だが概ね民をまとめる数値は維持できていた」
レポート「しかし攻撃性の誤差は、ゴルロイスの妻イグレーンによって瓦解した」
レポート「稀代の魔女イグレーン。彼女に罪があった訳ではないが、あれはあまりに美しすぎた」
レポート「ウーサーは暴走によりイグレーンを強奪、戦争まで起こしてゴルロイスを殺害」
レポート「のちの禍根となる、イグレーンの娘である魔女モルゴース、エレイン、モーガンの3姉妹を解き放ってしまう」
アーサー「モルゴース、エレイン、モーガン」
レポート「『第1期戴冠作戦』は失敗に終わった。ブリテンは1人の王で支えるには大きすぎたのかもしれない」
レポート「必要な改造を施すたびに、内部の精神の誤差は広がる。この方法はまずい」
アーサー「そんな……」
アーサー「これではマーリンさんの計画の失敗が暴君を生み、1つの領を……王家を崩壊させた事になるじゃないですか!?」
レポート「『第1期戴冠作戦』の失敗は、1人の王を無理に改造したところにある」
レポート「この点を補うため、今度は多数の王を乱立させ、その総合的なイメージによって理想の王を作る」
レポート「伝説上の偉大な王や英傑が、実は複数の人物やエピソードから美点をかき集めて作られたものであるという類型も珍しくない」
レポート「それを今のブリテンで再現する」
レポート「100万人以上の王が、アーサーという理想のイメージを築き上げる。そのイメージが民を統治する」
レポート「『第2期戴冠作戦』として」

アーサー「マーリンさんの『戴冠作戦』は過去に失敗し、信憑性に疑問があります」
アーサー「僕はこのままで大丈夫なんですか……?」
アーサー「マーリンさんに従うだけで本当に大丈夫なんですか。くそ、このレポートだけじゃ判断できませんか!」
アーサー「ここでキャメロットが倒れたら『外敵』を誰にも止められくなるんじゃ……」
アーサー「これは、マーリンさんの研究施設に忍び込むしかなさそうです」

払拭のための突撃

エル「マーリンの研究施設へ突撃する作戦? ええっ!?」
アーサー「巻き込んですみませんエル」
エル「何それ超面白そー!!」
アーサー「おい! 良いんですか所属的に!?」
ガラハッド「良いんじゃない? 私としても、『断絶の時代』の遺物とかに触れられる機会があれば何でも良いし」
エル「えーと、該当箇所は私達の管轄じゃないのだぞ」
エル「妖精ニムエ。まずこいつを退けないとダメだな」

アーサー「ここですか」
ガラハッド「それにしても、マジで全力の妖精と戦うつもり?」
ガラハッド「行動範囲が森や遺跡に限定されるとはいえ、その中なら岩肌に体当たりするようなものよ。こっちが怪我するだけじゃない?」
アーサー「……そんなの絶対戦いたくないですよ」
ガラハッド「お、ニムエよ。平和的解決やってみなさいよ」
ニムエ「ようこそおいでくださいました。歓迎、アーサー様を尊重します。こちらへどうぞ、殺しましょう」
アーサー「糸口が見えませんよ……!?」
ガラハッド「エル達には情報伝達用の魔法があるんだっけ?」
ガラハッド「マーリンのジジィ、平和的解決を阻止するために外したわね」
アーサー「くそ、今までで1番後味の悪い勝負ですよこれ!!」

ガラハッド「くそ、この不思議ちゃんメチャメチャ強いわよ!!」
アーサー「一時的に怯ませられれば僕達の勝ちです。さっさと施設に入りましょう」

ガラハッド「わお。遺跡や遺物のレプリカがゴロゴロ。解析資料も山ほどあるわ!」
アーサー「『戴冠作戦』のレポートは……これですかね」

敵はどこにいる

レポート「『第2期戴冠作戦』は100万人の王を使う計画だが、これは失敗する」
レポート「多数の王の意見は対立し、ブリテンは内戦状態になる」
レポート「『第2期戴冠作戦』の目的は、多くの王から美点やエピソードを抽出する事」
レポート「理想の王が完成したら、『最適化された王の項目』を逆算する」
レポート「ウーサーには色々なものを詰め込み過ぎた」
レポート「最適化を施した最小サイズの改造なら、1人の王でも許容できる」
レポート「いわば、『第2期戴冠作戦』は、続く『第3期戴冠作戦』のための踏み台である」
レポート「『第2期戴冠作戦』の失敗でブリテンは1度大打撃を受けるはずだ」
レポート「気の毒だが、全ては『湖』で製造された特別な騎士、コンスタンティンを次代の王とするための犠牲とする」

アーサー「このブリテンの混乱も、それがさらに悪化するかもしれない事も、予測できていたっていうんですか……?」
マーリン(通信)「その通りじゃ、アーサー」
ガラハッド「やっべ。出口がロックされたわよ!?」
アーサー「……」
マーリン(通信)「知っているのはお主1人」
マーリン(通信)「『第2期戴冠作戦』に王は必要じゃが、100万人の数%が消えたところで許容できる」
マーリン(通信)「他には騎士ガラハッドと妖精エルか。代わりは利く」
アーサー「ふざけないでください……」
マーリン(通信)「実戦訓練じゃ、コンスタンティン。ブリテンの敵を排除しろ」
アーサー「ブリテンの敵め、人の命を何だと思っているんですか!!」

エル「妖精ニムエ、騎士コンスタンティンは一時的に行動不能になったのだぞ」
エル「それにしても、マーリンの暴走ぶりはずば抜けているな」
ガラハッド「それも結構だけど、他の王だの騎士だのが私達の警告なんて聞くと思う?」
エル「具体的にどー動くかね?」
アーサー「正直ふて寝したいところですけど、まずはマーリンです」
アーサー「あいつは人の命を何とも思っていません。態勢の立て直しのためにも、誰を、何を利用するか分かったものじゃないんです」
アーサー「そんなヤツを野放しにしたら、さらに事態が面倒な方向に進んでいくに決まっています!」

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