トップ   差分 バックアップ リロード   一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2013-06-11 (火) 00:28:50

魔法の派 第8章

後先考えない乙女の夢

グィネヴィア「そろそろデザートの時間なのですわ」
魔ーサー「……毎度の無茶振りの時間っぽいですけど、いつもにも増して唐突過ぎて何が起きつつあるのか見えないんですが!?」
ガラハッド「『断絶の時代』っぽく宝の地図とか破滅の予言とかに繋がってりゃいいのにねー」
魔ーサー「破滅は嫌ですよ!?」
グィネヴィア「毎日毎日食事が地味だといっているのです! 飽き飽き!! 派手なデザートでパターンに変化をつけて欲しいのですわ!!」
魔ーサー「何かと思えば純度100%のわがまま以外の何物も存在しませんよ!?」
ガラハッド「言わせておけ言わせておけ。口で文句が消えるならエクササイズさせときゃ良いのよ。料理作ってるエルに聞かれなければ問題ない訳だし……」
エル「……」
ガラハッド「で、では、後は若いお2人に任せて……」
魔ーサー「逃げないでくださいっ!! 多分これ収拾がつく組み合わせじゃありませんよ!!」
ガラハッド「いや天罰はグィネヴィア1人に落ちれば良いじゃない私たちまで巻き込まれる筋合いはどこにも……あれ?」
エル「それは本当かグィネヴィア!? デザートを作っちゃっても良いのだな!?」
魔ーサー「……罵倒されていたはずのエルがキラキラし始めましたよ?」
エル「というか作るぞ! もう作るのだぞ!! よーしまずはホットケーキからだー!!」
グィネヴィア「どんとこいですわー!!」
エル「次はドーナツだー!!」
グィネヴィア「ですわー!!」
エル「そして同時並行で作っていたプリンだー!!」
グィネヴィア「ふもー!!」
魔ーサー「ちょ、な……エルが色々と際限ないことになっているんですが!?」
エル「エクレアだー!!」
ガラハッド「アーサー、アーサー。……なんかエルの手に、ボロボロになるまで読み込まれた料理の本があるんだけど」
魔ーサー「面倒臭そうな年季の入った伏線が後になって登場ですって!?」
エル「あははうふふ楽しいなあ。私だってパンとかスープとか全体的に色の少ないものばっかり作っているのは退屈だったのだぞ」
エル「とはいえ許可が下りたからには全力を出すのだぞ! よーしこうなったら今まで溜め込んでいた分、向こう3日ぐらい全部生クリームで……」
ガラハッド「まずい!!」
魔ーサー「誰かあの人止めてー!!」

魔女の分離、あるいは複雑化

モルゴース「キャメロット都市国家郡の電波塔は一定数以上が破壊された。これではアヴァロンを操るのは難しいわね」
エレイン「私達がアヴァロンに干渉する際も、あの電波塔を経由しましてよ」
モルゴース「最大戦力が奪われた以上、私達も方針を変えざるを得ない。モーガン、どう思いますか?」
モーガン「……やる事は変わらないわ」
モーガン「アヴァロンは手段であって目的じゃない。あれを失ったからキャメロット粉砕を諦めるなんて本末転倒でしょ」
エレイン「モーガン。私達魔女は万能でも無敵でもなくてよ」
モルゴース「エレインの言う通り。もし私達がそんな強力な存在なら、真正面から突っ込んでキャメロットを破壊しているわ」
モルゴース「それができないから、私達は11人の支配者やアヴァロンの力を利用しようとしたのでしょう」
モーガン「それが賢明なご意見?」
モーガン「安全策安全策って、結局そんなやり方でやっても1回も成功してない! 私達の力は削ぎ落とされて先細りしていくだけよ!!」
モルゴース「だから無謀な突撃をして皆殺しにされろと? それこそ究極の失敗だわ」
モーガン「何をもって成功や失敗と判断するか。そこがもうズレているみたいね」
エレイン「モーガン?」
モーガン「私達の命が奪われることが失敗なんじゃない。キャメロットを叩き潰せるかどうかでしか評価は変化しない」
モルゴース「それはあなたの復讐の定義ね」
モーガン「姉達はどうだって言うのよ?」
モルゴース「率直に言って、私の復讐の対象はそこまで広くない。マーリンと、彼が進めていた戴冠作戦の完全な粉砕。これが最優先目標よ」
モルゴース「そのためなら、11人の支配者のようにキャメロットに取り入ったって良い。あのキャメロットから、マーリンの残り香を完全に消す」
モルゴース「それが私の復讐ね」
エレイン「私は武力による侵攻を行うにしても、期限に区切りを設ける必要性を感じなくてよ」
エレイン「必要であれば、何年でも、何十年でも潜伏して組織的な力を蓄える。たとえどれだけ苦汁を舐めても、最後に勝てば私の復讐は完遂してよ」
モーガン「……今分かったわ」
モーガン「姉達に罪はない。でも、姉達のやり方に付き合っていたら、500年経ったって復讐は叶わない」
モーガン「姉達は姉達で勝手にやれば良い。私は私の方法でキャメロットを粉砕する」

モーガン「姉達に従っているだけじゃ駄目だ」
モーガン「保身のために力を温存するやり方じゃ、あのキャメロットには喰らいつけない」
モーガン「それに、アヴァロンはまだ破壊されていない」
モーガン「保身なんてものさえ考えなければ、あれはまだ起動できる」

2つの傍受

エル「おや?」
魔ーサー「……え、エルが何もない所で唐突に独り言を……?」
エル「そこの失礼なアーサーは後で目潰しなのだぞ」
エル「キャメロット内のネットワークの異変を検知したのだぞ。進入経路が不明なメールが行き来しているよーだ」
魔ーサー「こ、今度はオリジナリティ溢れすぎる俺様語をこれみよがしに……」
エル「あーもー! これだから原始人は!!」
エル「怒ったのでこのまま進めてやる! 送信元アドレスも不明でメチャクチャ怪しいから、現在念入りにスキャンしている最中だっ!!」
魔ーサー「???」
ガラハッド「なになに? ひょっとして『断絶の時代』の情報が太陽から降り注いでいるとか!?」
エル「電波系という言葉の存在しない文化のはずなのにピンポイントで罵倒されているし……!」
魔ーサー「妖精の修理ってどこに依頼すれば良いんでしょうかね?」
エル「もう聞く耳持たん!! ……むむ、どーやら『送信位置不明』は『剣術の城』へメールを送っているよーなのだぞ」
エル「問題のメールは暗号化されていて解読できないが……このコードパターンは、妖精ではなく魔女のものみたいだ」
魔ーサー「つ、つまり何なんですか?」
ガラハッド「『剣術の城』とか魔女とか不穏な単語が並んでいるみたいだけど」
エル「キャメロットの一角『剣術の城』が、私達に内緒で魔女の1人と手を結ぼーとしているのだ馬鹿者めー!!」
魔ーサー「一大事じゃないですか!? 何でそういう話をもったいぶるんです馬鹿!!」
エル「えっ!? だ、だから私は最初から異変に気づいて解析を……」
ガラハッド「馬鹿馬鹿! この平和ボケ!! これだから実際に戦場で剣を持たない軍師気取りは!!」
エル「わぁぁぁぁぁーん!! もーこんな仕事場嫌だー!!」
魔ーサー「……仮に『剣術の城』と魔女が結びつこうとしているなら、阻止するしかありませんね」
魔ーサー「11人の支配者も、魔女が関わったことで難度が倍増しました。いいや、そもそも魔女によって『剣術の城』の性質自体が変異するかも……」
ガラハッド「でも、『剣術の城』もリスクは承知でしょ。簡単に攻め込めるとは思えない。下手に泥沼の戦況を作ったら、キャメロットに被害が出るわ」
ガラハッド「被害の程度によっては、私達の方が悪人扱いされそうなシチュエーションね」
エル「くすん。……そ、それなんだがな」
エル「どーも『技巧の場』も『剣術の城』と魔女の動きを感知して、動き出そーとしているよーだ」
魔ーサー「……いきなりの三つ巴ですか?」
ガラハッド「まったくこの妖精は面倒臭い情報ばっかり持ってきて……」
エル「ふっ、不当なのだぞ! 私のせいじゃないのにー!!」
エル「それにだな。『技巧の場』は結構力技で、今のままでは『剣術の城』を出し抜けるとは思えないのだぞ」
エル「私達は『技巧の場』の妨害が成功するよーにこっそりアシストするのが妥当なのだぞ! 『剣術の城』は止められるし悪人にもならない!!」
魔ーサー「……」
ガラハッド「……」
エル「な、何だ? 2人ともいきなり黙り込んで……」
魔ーサー「い、いや、その戦術には素直に感心するんですけど」
ガラハッド「……そこまでの悪女とはね。こりゃー流石にドン引きよ。やーっぱ女は見た目じゃないって事かあ」
エル「わぁぁぁぁぁーん!! 正しい事しか言っていないのにこんなのばっかりー!!」

漁夫の利を狙う皮算用

クリア報酬:300EXP·1500Gold·600絆ポイント
ボーナス1:1000絆ポイント
ボーナス2:1000絆ポイント

エル「『剣術の城』が魔女の1人と結びつくため、秘密の階段を行う準備を進めているらしいことが分かったのだぞ」
エル「結局やり取りされていたメールの文面は解析できなかったが、コードの特徴から魔女はモルゴースの可能性が濃厚だ」
グィネヴィア「魔女の介入は、三つ巴のキャメロットのバランスに大きな影響を与えるでしょう」
グィネヴィア「そもそも、『剣術の城』がモルゴースを押しきれる保証もありません。魔女の手で性質が歪めばブリテン全体に大損害が出るかもしれませんわ」
エル「会談を妨害するため、私達の他に『技巧の場』も動いているよーだが、計画が杜撰で失敗する公算が高い」
エル「私達は『技巧の場』が会談場へ忍び込めるよーにセンサー類を停止させる」
エル「当然、『剣術の城』にも『技巧の場』にも知られてはならないのだぞ」

魔ーサー「……やれやれ。『剣術の城』と魔女の繋がりを断つ名誉は『技巧の場』に持っていかれますか」
魔ーサー「リスクを避ければメリットが逃げていく。騎士の道っていうのも面倒臭いものですね」
ガラハッド「じゃあ今から正面突破する?」
魔ーサー「絶対に嫌です」
エル(通信)「無駄話はその辺にするのだぞ。そろそろ標的に近づいてきた」
魔ーサー「そう言えば、『剣術の城』の魔法の警報を止める、なんて言っていましたけど、具体的には何をするんですか?」
エル(通信)「その辺に『剣術の城』の騎士が待機しているだろう。魔法が得意な調整を施されたヤツら」
魔ーサー「ええまあ。ここから奥は立ち入り禁止ですって目であちこち睨んでいますけど……」
エル(通信)「襲って黙らせろ」
魔ーサー「スマートさが欠片もなくなっているんですが……!?」
エル(通信)「連中の意識を奪えば、束ねている魔法のセンサーも停止する。当然、中心の会談場にいる連中にも騒ぎを気づかれるなよ!」

エル(通信)「『剣術の城』のセンサー停止を確認! 『技巧の場』が雪崩れ込んでいくのだぞ!」
ガラハッド「となれば長居は無用よね。とっととずらかるわよアーサー!」
魔ーサー「ここにきてまさかの山賊ライフですか!?」
エル(通信)「『剣術の城』とモルゴースの会談はしっちゃかめっちゃかみたいだぞ。……ん? 魔女が逃亡している。ってちょっと待て!!」
魔ーサー「一体何が……?」
エル(通信)「裏切られたと思って大慌てで逃げるモルゴースがこっちに来る! 鉢合わせるのだぞ!?」
モルゴース「くっ、こっちにも追っ手が!? おのれキャメロット、逃走経路は全て塞がれているということね!!」
魔ーサー「ぎゃー!? お、穏便なサポートで終わらせたかったのに。何でこう何事も上手くいかないんですか!?」

エル「モルゴースは戦闘の隙を突いて逃走したよーなのだぞ」
グィネヴィア「とはいえ、『技巧の場』と既に戦っていたのか、モルゴースが手負いなのが幸いでしたわね。何の準備もなしに争う相手ではないですわ」
エル「ともあれ、襲撃犯の汚名は『技巧の場』に押し付け『剣術の城』と魔女の繋がりも阻止できた」
エル「私達『魔法の派』としては、作戦成功と評価してよいのだぞ」

陰謀論の中で行われる陰謀

クリア報酬:300Gold·600絆ポイント

エル「『剣術の城』や『技巧の場』が協議の場を設けよーとしているよーなのだぞ」
魔ーサー「……ぶっちゃけどう思います?」
ガラハッド「モルゴースの件もあるし、その責任の押し付け合いかな。下手すると騎士や魔法の設備の損害を弁償しろと喚き出すかも?」
エル「ただ、『剣術の城』については、むしろこちらから切り込む事ができるかもしれないぞ」
ガラハッド「どうかしらねえ。具体的にモルゴースがキャメロットに損害を出していたり、『剣術の城』との共同プロジェクトがあれば難癖つけられるけど」
魔ーサー「最低限、『魔法の派』に妙な請求が来ないように警戒する、程度に留めるしかなさそうですね」
技ーサー「おっすー。そっちも悪巧みしてる?」
魔ーサー「『技巧の場』……ですか」
エル「人聞きの悪いことを言うのではないのだぞ」
技ーサー「まーたまたあ。そっちだって隙あらば『剣術の城』を論戦で叩き潰して不利な条約結ばせようとしてんでしょ?」
技ーサー「アンタらこの前のモルゴースのときもそうだったじゃん。汚れ仕事こっちに押しつけやがって。……言っておくがチャラじゃないぞ?」
魔ーサー「……」
技ーサー「おっと。睨み合うなら今日は相手が違うぞ。ほら、メインディッシュのご到着だ」
剣サー「『技巧の場』に、『魔法の派』も来ているか」
技ーサー「来ているとも。そして今は悪巧みの真っ最中」
魔ーサー「えっ!?」
技ーサー「付き合えよ弱虫クン。どうせ『剣術の城』だって理論武装ぐらいしているさ。甘く見ていると逆に難癖つけられるぞ」
剣サー「責められるような事は何もしていない。それをそなた達が……!!」
魔ーサー「ま、まあまあ。詳しい話は会議が始まってからにしませんか? 僕達もモルゴースさんがやってきた真意はきちんと知りたいですし」
ガラハッド「国の未来が思いやられる会話よね。まあ私は『断絶の時代』さえ調べられれば何でも良いけど。……おっと?」
エル「お前達は演算領域を無駄に使いすぎなのだぞ。アルゴリズムの簡略化と最適化でもっと軽くできるはずなのに」
フェイ「あなたこそ。軽さ優先でスキャン条件甘くして警備がザルになっているだなんて。一体誰がパッチを当ててあげたと思っているんですか」

リーフェ「パッチ当てるのは良いけどレポートは残しなさい。勝手にやられると従来のソフトがいきなり使えなくなったりするのよ」
ガラハッド「正直、あっちの方が興味あるわね。おーい! なになに何インテリな裏話してんのー!?」

魔ーサー「ん? そろそろ会議が始まるようですね」
剣サー「いよいよか」
魔ーサー「しかし100万人の王とその下につく騎士たち全員が納得の行く会議なんてできれば良いのですが」
剣サー「なに、ブリテンの民はさらに100倍以上いる。彼らを束ねる予行練習と思えば良い」
技ーサー「(……ところで気をつけろよ『剣術の城』)」
剣サー「何がだ」
技ーサー「(……茶番を嫌う連中は、会議なんて成功しない方がいいと思ってるはず。だったら手っ取り早く潰すためにどう動くと思う?)」
剣サー「誰かが剣を抜くと?」
技ーサー「(……私は自陣を睨んでおくよ。だからアンタも『剣術の城』にご注目。当然、事が起これば勢力全体が裁かれるんだろうしさ)」

ガラハッド「しっかし、改めて集合して見ると王様ってのもとんでもない数だね」
エル「正直、これだけのエクスカリバーを用意するのもチョー大変だったのだぞ。ブリテン防衛の戦力として機能はしているのが救いだけど」
魔ーサー「……あれ?」
ガラハッド「何よアーサー。忘れ物?」
魔ーサー「あのう。そういえばグィネヴィアさんってどこにいるんでしょう?」
エル「グィネヴィアは全ての王と顔見知りなんだからどこかに寄っているのではないか?」
リーフェ「いいえ。違うみたいね」
エル「?」
フェイ「ち、ちょっと良いですか!? グィネヴィア様がキャメロットの外に出て行ってしまったようなのですが誰か心当たりは!?」
魔ーサー「え? それってまさか……」
エル「げっ! 確かに出入りのログが残っているのだぞ」
リーフェ「自分の意思で出るとは考えにくいわね。これから始まる会議の重要度が分かっているなら」
ガラハッド「ちょっと待った。それって、誰かがグィネヴィアをさらったって事?」
魔ーサー「ありえない話じゃありません。だってこの会議は都合が良い。グィネヴィアさんは常にどこかの都市国家にいて、普段は警備も厳重ですが」
魔ーサー「100万人の王が集まるこの会議場なら、グィネヴィアさんは必ず現れるし、さらったって、誰がやったか突き止めるのは難しくなります」
魔ーサー「そもそもこの会議自体、グィネヴィアさんを連れ去るために誰かが計画したものかもしれません!!」

窮地を切り抜ける残酷な方法

エル「厄介なことになってきたのだぞ」
魔ーサー「グィネヴィアさんが連れ去られた件ですか?」
エル「宮殿に勤める女中や警備の者に話を聞いたところ、いくつかの目撃情報が出てきた」
エル「グィネヴィアを連れ去ったものの人相は不明。ただし、使っている武具の特徴などから騎士メレアガンスとその部下が怪しい、だそーだ」
魔ーサー「メレアガンス……」
魔ーサー「僕達『魔法の派』に所属している騎士じゃないですか!?」
ガラハッド「きな臭くなってきたわね。ところで、そのメレアガンスご本人と連絡を取る事は?」
エル「事件直後から本人と一派がまとめて消えてる。当然、音信不通なのだぞ」
ガラハッド「ますますね。本物のメレアガンスが山にでも埋められていなければいいけど」
魔ーサー「それって……?」
ガラハッド「グィネヴィア襲撃犯の顔は分からないのに痕跡だけバッチリ残してるとか、正直どうなの?」
ガラハッド「『魔法の派』に難癖つけたがっている誰かさんが横槍入れているとは思わない?」
エル「『剣術の城』に『技巧の場』。どっちもやりそーだが、現段階では答えの出しよーがないのだぞ」
ガラハッド「そして実際に仕掛けたのがどこの誰であれ、2つの勢力はこれをチャンスと捉えて攻め込んでくるわ。『魔法の派』を弱体化させるためにね」
魔ーサー「……放っておけば、次々と僕達にとって都合の悪い証拠がねつ造されていくかもしれないって訳ですか」
ガラハッド「頼みの綱はさらわれたご本人のグィネヴィアだけになるけど……さてこれもどうかしらね」
ガラハッド「グィネヴィアが何を言ったところで、『魔法の派』を庇っているだけだって流れになったらねじ伏せられるかな」
エル「騒ぎを収めるためには、私達の手で襲撃犯を捕まえるしかなさそーなのだぞ」
ガラハッド「当然、騒ぎを仕掛けた側も、利用したい側も、『魔法の派』のせいって事にしたがっているはずよ」
ガラハッド「となると、『剣術の城』や『技巧の場』も自称メレアガンス派の捕縛に向かうはず。実質的にそれが保護なのか口封じなのかはさておいてね」

ガラハッド「さて厄介な状況は掴めたけど、実際にどうやって自称メレアガンス派へ1番乗りするつもり?」
ガラハッド「ブリテン中の欲望が集中しているのを見ると、あんまりもたもた装備を調達したり作戦を考えたりしている余裕もなさそうだけど」
魔ーサー「……いいえ、今さらスタートダッシュのわずかな距離の稼ぎ合いになんて付き合っても意味はありません」
魔ーサー「どうせ正攻法で競争したって『剣術の城』と『技巧の場』は結託して僕達を潰しに来ます」
魔ーサー「だったら、どれだけ準備に手間をかけても、最後の最後には彼らを出し抜ける最高の乗り物を用意するべきです」
ガラハッド「?」
魔ーサー「僕達は『魔法の派』ですよ」
魔ーサー「だったらその力を最大限に利用するべきです。ガラハッドさんの好きそうな方法でね」

死神は天空を舞う

クリア報酬:300EXP·1500Gold·600絆ポイント
ボーナス1:2000絆ポイント
ボーナス2:2000絆ポイント

エル「キャメロット内にあったマーリンの研究室から戦略爆撃機ホワイトワイバーンに関するデータを引き出したのだぞ」
エル「正直、図面だけあっても私達には製造技術が不足している。今のまま作っても半端なものになるだろう」
エル「ただし、まともに地上ルートで自称メレアガンス派を追えば、間違いなく『剣術の城』や『技巧の場』から妨害を受ける」
エル「かなり危険な空の旅になりそーだが、これ以外に連中を出し抜く方法はない。一刻も早くホワイトワイバーンを組み立て……」
ガラハッド「まずい、まずいまずい! 緊急よ!」
ガラハッド「マーリンの図面に従って部品製造している『湖』から、騎士が何人も出てきてるわ!」
エル「図面の方でマーリン以外の使用者を検出した場合、『湖』に防衛戦力を製造させる仕掛けになっていたのか!?」
ガラハッド「完璧な奇襲だから対応が遅れてるわ! このままじゃせっかく組み立ててるホワイトワイバーンを壊される!!」
エル「出るしかなさそーだな。アーサー、マーリンの用意したトロイの木馬を破壊するのだぞ!!」

ガラハッド「ただでさえ時間がないってのに、また面倒なことになってるわね!!」
魔ーサー「何とか説得することはできないんですか!?」
ガラハッド「時間がないって言ったでしょ! 叩き伏せて縛り上げるのが精一杯よ!! ただ殺すよりよっぽど難しいけどどうする!?」
魔ーサー「……望むところです!!」
エル(通信)「『湖』から反応があるのだぞ! ……っ!! この反応は、私と同じ……。妖精だ、妖精が出てきている!!」
魔ーサー「……そんな製造技術まで?」
ガラハッド「宝の持ち腐れにもほどがあるわねマーリン! 『断絶の時代』の魅力がまるで分かってない!」
エル(通信)「駄目だ。ほかの防衛部隊では歯が立たない! このままではホワイトワイバーンをやられてしまう!!」
魔ーサー「無理に押し返そうとしないでください! 矛先をC5区画へ誘導させてもらえれば十分です!」
ガラハッド「アーサー?」
魔ーサー「誘導に成功すれば僕達のいる通路を通るはずです。……事後承諾になりますけど、覚悟の方は?」
ガラハッド「へっ。そういう度胸は普段も少しは持ってもらいたいところね」
エル(通信)「トロイの木馬の妖精、誘導に成功! そっちへ向かうのだぞ!!」
ガラハッド「来るわよ!! アンタが用意した舞台だ。派手に暴れてやりなさい!!」

エル「トロイの木馬による騒ぎは収まったのだぞ。ホワイトワイバーンの組み立ても完了した」
エル「ただし、オリジナルと違って昨日はかなり簡略化している。振動が大きいので繊細な魔法の兵器は搭載できないしな」
エル「胴体着陸必須だから操縦士の危険も大きい。フレームも何回使えるか不明。それでも空中から大量の騎士や兵士をばら撒く事はできる」
エル「……当然、勝てばハッピーエンドだが、負けた場合は安全に逃げ込める拠点など存在しない。袋叩きにされるから覚悟するのだぞ」
魔ーサー「……『剣術の城』と『技巧の場』はどうなりました?」
エル「もー少しで自称メレアガンス派へ届くといったところか」
魔ーサー「それだけ分かれば結構です」
魔ーサー「……ようやくの逆転劇です。一気に彼らの頭を飛び越えて、グィネヴィアさんを助けに行きましょう」

真実は葬る事に意味がある

クリア報酬:300EXP·1500Gold·600絆ポイント
ボーナス1:
ボーナス2:2000絆ポイント

エル「私達で用意した、使い捨ての兵員輸送用ホワイトワイバーンを使った自称メレアガンス派への強襲作戦を実行するのだぞ」
エル「第1目標はグィネヴィアの救出。そして自称メレアガンス派の正体を突き止め、余計な策謀の材料を潰す」
エル「ただし、空中から襲いかかる都合上、地上の退路は自力で確保するしかない」
エル「たとえ真実を突き止めても、帰り道で『剣術の城』と『技巧の場』に握りつぶされれば意味はない」
エル「当然、今回は連戦が予想される。泥にまみれても良いから、必ず真実をキャメロットに持ち帰るのだぞ!!」

魔ーサー「くっ……! 着地点は意外とズレるものなんですね!」
エル(通信)「第2陣、第3陣も広範囲に拡散! ただし自称メレアガンス派の包囲に役立ったのだぞ!」
ガラハッド「チッ、こっちが集結する前に自称メレアガンス派が突っ込んできそうな配置ね。私達だけでやるしかないか!!」
メレアガンス派「アーサー、か」
魔ーサー「そういうあなたは誰なんです? 僕の知っているメレアガンスさんではなさそうですが」
メレアガンス派「あれならじきに発見されるさ。全てが終わった後なら何を言っても無駄と思うがね」
ガラハッド「……部下の手綱を握れなかった騎士として裁かせるため、敢えて生かしてあるって訳ね」
魔ーサー「結局、あなた自身は名乗る気はないという事ですか」
メレアガンス派「名乗らぬことに意味があるのさ」
メレアガンス派「私達は、そうやって名乗りを上げた王に失望しているのだからな!!」

メレアガンス派「ぐっ……!!」
ガラハッド「馬鹿! アーサー、殺してしまっては意味がないわ! 濡れ衣を晴らせなくなる!!」
魔ーサー「僕じゃありません! 太刀筋と関係なく出血しています!」
エル(通信)「真実を封じるため、自らの手で……!?」
メレアガンス派「名乗らぬ事に、意味が……あるのさ」
メレアガンス派「最良たる第4の理想を達成できないのであればこれが次善。……新たな元凶め。我々が作った火種によって、共食いの内に消えるが良い」
ガラハッド「くそっ!!」
エル(通信)「最良の理想? 一体自称メレアガンス派は何を狙っていたんだ……?」
魔ーサー「グィネヴィアさんから話を聞くしかありません。それよりも……」
剣サー「……結局、こうなったか」
剣サー「自称メレアガンス派が『魔法の派』に所属しているいないに拘わらず、火の粉を払うには口を封じるのが手っ取り早いだろうからな」
魔ーサー「『剣術の城』……」
ガラハッド「いちいち誤解を解いている余裕はなさそうね」
ガラハッド「グィネヴィアの口から語られる真実にもどれだけ効力があるか。脅されているとか難癖つけられたらそれまでよ」
魔ーサー「……何でも良いですよ、そんなの」
魔ーサー「『魔法の派』は関係なかった。本物のメレアガンスさんも関係なかった。それだけ分かっていれば、押し付けられた悪を跳ね除けられます!」

エル「グィネヴィアの救出には成功。自称メレアガンス派は自らの口を封じたが、その正体に関する情報もいくつか出てきたのだぞ」
エル「円卓の整備能力を持つグィネヴィアを独占してしまえば、あらゆる王は騎士を管理する上で不利益を被る」
エル「短期的に結果が出るものではないが、長い目で見れば王と騎士のシステム全体にかかわる問題になっていただろう」
エル「自称メレアガンス派はグィネヴィアを長に立てることで第4の勢力を作り、既存3勢力の王達へ強い発言権を持つ事を目的に掲げていたらしい」
ガラハッド「……迷走する王政をとめるために生み出した、直談判の組織、か」
エル「しかしこのグィネヴィアの証言だけで、『剣術の城』や『技巧の場』が納得するとは限らないのだぞ」
エル「依然として火種は残ったまま」
エル「おまけにグィネヴィアの戦略的な有用性も証明されてしまった。今後はグィネヴィアを巡る直接的な攻防も行われるだろう」
エル「……大きな戦争になるかもしれない。以上だ」

火種は意外なほど強く燃え広がる

クリア報酬:300Gold·600絆ポイント

フェイ「アーサー様! ランスロット様が行方不明という話は本当ですか!?」
リーフェ「行方不明というのは正しくなさそうね。外敵の大陸へ逃れたという目撃情報が上がっているわ。それも、勝手に『和平の使者』を名乗って」
エル「グィネヴィア救出直後のどさくさに紛れて、『円卓の整備技術情報』をランスロットが聞きだしていたという話も本当なのかねー?」
技ーサー「という訳だ」
技ーサー「『外敵』をどう扱うかはまだ答えが出ていなかったはず。勝手にブリテンの代表を名乗って交渉されちゃ困るのよねえ」
魔ーサー「いえ。もっと問題なのは、『円卓の整備技術情報』が『外敵』側に漏れる可能性です」
魔ーサー「円卓または騎士に似た戦力が補充される恐れがありますし、僕達の戦力を妨害する技術が開発される恐れもあります」
剣サー「……私にどうしろと言うのだ?」
技ーサー「そりゃもちろん、責任者としての職務を」
技ーサー「『外敵』そのものをどうするかはさておき、グィネヴィアと繋がっていた裏切り者ランスロットの排除は概ね意見が一致してる」
魔ーサー「……反論があるなら、今の内に聞いておきますけど」
剣サー「庇ってやりたいのが本音だが、そのための材料が見つからない」
技ーサー「おいおい、何を他人行儀になってんの? 責任者の職務を果たせって言ったでしょ。ランスロットをやるのはアンタよ」
フェイ「そんな……!」
剣サー「待てフェイ。これはブリテンの危機だ。文句を言える立場ではない」
剣サー「……代わりに、私からも1つ」
剣サー「グィネヴィアに関する独立機関を設置してほしい。3勢力のいずれかが彼女を誘拐できないように」
技ーサー「聞いてどうする?」
剣サー「こちらはこれからそなた達の悪趣味に付き合って最大の戦友を自ら斬るのだ。わがままの1つぐらいは構わないだろう」
魔ーサー「僕は構いません」
魔ーサー「都市国家郡ではなく、キャメロットの宮殿に詰めてもらえれば、僕達としてもやりやすいですし」
技ーサー「チッ。まあ良い。細かい調整は後で協議するとして、防衛隊は3勢力の混成。互いにいがみ合うこう着状態を作りましょう」

エル「ぶー」
魔ーサー「い、一体どうしたんですか?」
エル「……これが『魔法の派』にとって1番都合が良いのは分かるが、なんかもやもやするのだぞ」
ガラハッド「まあ確かに、その手で戦友を斬ってケリをつけろって『技巧の場』の意見はちょっとね」
ガラハッド「ただし、ランスロットが本当に『剣術の城』を裏切っているなら、だけど」
エル「どーいう事だ?」
魔ーサー「……グィネヴィアさんから『円卓の整備技術情報』を首尾良く聞き出し、さらに海を渡って『外敵』の大陸まで逃げる」
魔ーサー「一体どれぐらいの手間とお金がかかるものですかね? ぶっちゃけ、前に戦った自称メレアガンス派どころではないと思うんですが」
エル「……個人でできる事ではない。つまり、ランスロットの脱出は『剣術の城』全体の作戦だと言いたいのか!?」
ガラハッド「円卓や魔法の技術を手土産に、『剣術の城』が『外敵』と手を結ぼうとしている、という構図が出来上がるのよ」
魔ーサー「『剣術の城』は以前も魔女モルゴースと結びつこうとしていましたが、今回は更に深刻です」
魔ーサー「何しろ『外敵』が同盟関係を守る保障なんてないし、そもそも『剣術の城』が勝手に白旗を上げて王国を売る図式に発展するかもしれません」
エル「でも、そんなのバレたら『剣術の城』は『魔法の派』と『技巧の場』に集中攻撃されるんじゃないのか?」
エル「ええ。リスクが大きすぎるからこそ『剣術の城』の真意は掴みかねるところがあります。それに『技巧の場』にしたって信用できません」
ガラハッド「元々『外敵』へ侵攻したがっていた『技巧の場』の連中からすれば、陰謀論をぶち上げれば侵攻の足がかりにできる訳だしね」
魔ーサー「『技巧の場』の意見は鵜呑みにできませんが、でも『剣術の城』の動きを放置もできません」
魔ーサー「……ランスロットさんがどこまで考えて事を起こしたかは不明ですが、最低でも、ブリテンと『外敵』の力関係が崩れる事だけは避けないと」
ガラハッド「最新の魔法技術が『外敵』側にもたらされた場合、最悪、テクノロジーが兵器化される前に大規模な侵攻をしなくちゃならなくなるわ」
ガラハッド「……今回も、複数の勢力の思惑がぶつかる面倒な事態になりそうね」

定められていたものの1つ

クリア報酬:1500EXP·300Gold·AP回復薬×1・BC回復薬×1

グィネヴィア「……はぁー。まったく大変な目に遭いましたわ」
グィネヴィア「あら?」
ニムエ「……ジ、ジジ……」
グィネヴィア「ニムエ、ですわよね。以前はマーリンの施設を防衛していたとかいう……」
ニムエ「ジジ、そういうあなたは、グィネヴィア……ジジジ……」
グィネヴィア「しゃべれる!?」
ニムエ「……モードレッドが、ジジ、作ってくれた」
グィネヴィア「翻訳用の、魔法? ですけど、マーリン製ではないのか不完全なようですわね」
ニムエ「でも、嬉しい」
ニムエ「ジジ、嬉しいって言える事が、ジジジ、私は嬉しい」
グィネヴィア「ふむ」
グィネヴィア「……私にどうこう言えた義理ではありませんけど、そこらの王よりモードレッドの方がよほどまともに見えますわね」
ニムエ「……グィネヴィア。ジジ、モードレッドがどこにいるか、知ってる?」
ニムエ「ジジ、モードレッドに、ちゃんとお礼したい。ジ、ジ、この声で、私の言葉で」
グィネヴィア「そう言えば、最近見かけませんわね」

兵士「ひ、ひ!」
兵士「お、俺は、ブリテンを守るキャメロットの兵士だぞ。アンタと同じ、同じ! なのに!!」
モードレッド「……軍備の増強だ何だと謳って近隣の集落に押し入るような輩がキャメロットの兵士だと?」
モードレッド「キャメロットを信じた民に剣を向け、むしり取った財で醜く肥え太ったその面が、キャメロットのあるべき形だと?」
兵士「ひ、ひ。それでも俺は、キャメロットの一員だ」
兵士「俺を斬れば、お前はキャメロットの裏切り者に……!」
兵士「……な?」
モードレッド「こちらも1度は死んだ身。王国の審判役として息を吹き返した騎士の端くれだ」
モードレッド「その程度の脅しが機能するとでも思ったか」
兵士「が、ふ」
モードレッド「……3勢力のいずれもが高みの玉座を追うあまり、足元の民には気を配る事もできない」
モードレッド「これが今の王に、今の王国か」
モードレッド「ならば構わぬ。審判役は、ただその責務を全うするのみ」
モードレッド「それがたとえ、王と敵対する道を歩もうとな」

コメント

コメントはありません。 ストーリー/魔法の派/第8章/コメント


スポンサーリンク